無名峰 島田茂著

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『 無名峰 』 (島田茂著)


この本はスゴい本だ。








僕がこの本の存在を知ったのは 秀岳荘のスタッフブログ でだ。


とても興味を惹かれたので、6月初めに秀岳荘に行った際に購入した。



なぜ今頃になって紹介するかというと、
先日ヤマレコユーザーの morethanさんBelmondさん と飲みに行った時に、この本の話題になったからだ。

メチャマニアックな本なのに、お二人ともこの本のことを知っていて、Belmondさんは既に購入していた。
またmorethanさんもその時の話に刺激を受けて、後日購入している。






この本の内容を簡単に言うと、著者の40年以上に渡る日高山脈踏破の軌跡を記したものだ。




本に書かれているプロフィールによると

1956年2月2日生(現在60歳)。
札教大WV部入部以来、42年間一貫して日高山脈を中心に登山活動を続ける。
小学校教諭、教頭、校長として36年間勤務し、この春定年退職となる。


とある。






古くは1976年から、新しいものは昨年の記録まで本に載っている。
筆者は今でももちろん現役で登られている。



記録はほとんどすべてが登山道のない日高の山の記録である。
自分のようなただの「ハイカー」には、山歩きの参考にはならない。
が、筆者の日高に賭ける熱い思いと壮絶な山行記は、読んでて心が奮い立つものがある。



今でこそネットで探せばたいがいの情報は入ってくるから、
どこかに登ろうと思っても、事前にだいたいの想像は付く。

しかし島田さんが登った時代には圧倒的に情報は少なく、
それこそ地形図の情報だけを頼りに、後は想像と試行錯誤で登ったのだろう。

しかも装備の性能も現在と比べて随分と劣る時代。
もうスゴいとしか言いようがない。





現代はネットで情報を得て、登って、そして自分でもネットで情報を発信する。

ネット上の記録でもスゴいなぁと思う方はたくさんいるが、
本当にスゴい人は、自分のやったことを特にアピールするワケでもなく、
ただ自分自身の満足のために黙々と登ってる人なのだろう。

この島田さんのように。





登山道のない山なので、夏は沢を詰めて登るか、もしくは積雪期に登ることになる。
僕のような「ハイカー」ではなく、本物の「登山家」にはすごく貴重な記録であろうと思う。










こんな細尾根、どうやって突破したんだろうか?
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性能が悪い上に重かったであろう装備で、しかも圧倒的に少ない情報で、よく登れたものだと思う。
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ちなみにこの本に時々登場する、島田さんの後輩の山崎正明さんって方は僕の中学時代の先生だった人だ。
超ビックリした(@_@)

中学時代の僕なんて登山に全く興味がないどころか、そんな世界があることすら知らなかった。
学校のセンセーにそんなデンジャラスな趣味を持った人がいたなんて!








島田さんが残した貴重なルート図を、惜しげもなく載せてくれています。
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たとえこのルートを歩けない人でも、読み物としても面白いです。
興味のある方で是非買って読んでみてください!

と言っても、どこにでもは売ってないと思われます。
Amazonにも、モチロンありません。

秀岳荘では売ってます。3,000円です。
しかもメンバーズバッグ割も使えます。


***
by yah-_-yah | 2016-08-03 06:00 | 登山(用品・その他) | Comments(2)
Commented by yumemasa at 2016-09-29 21:08
はじめまして。紹介されていた本に登場していた山崎です。今日、島田さんから電話が、あり、この記事のことを教えていただきました。感謝しているとのことです。私もうれしいです。
Commented by yah-_-yah at 2016-09-30 05:16
●山崎さん
山崎先生でいらっしゃいますか!
ご訪問、そしてコメントまでいただけるとは感激です!
この本は衝撃的でした!恐らく同じように衝撃を受けてる人が少なからずいるはずです!

ところで僕が先生に習っていたのは青葉中学校時代、中2~3年の頃だったかと思います。
1981年か1982年頃です。懐かしいです!
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